こうして「たいころじい」が生まれた

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本日2回目のブログ書き込み!

太鼓の専門情報誌「たいころじい」知ってますか?! 
たいころじい誕生の秘話をご紹介(^^♪

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 1988年に創刊された「たいころじい」は、日本で唯一の太鼓専門情報誌だ。日本で唯一ということは、おそらく世界で唯一ということだろう。そんな希有な書籍の発刊を思いたったのは、株式会社浅野太鼓楽器店の専務であり、現在、一般財団法人浅野太鼓文化研究所の理事長である浅野昭利氏だ。

 今から27年前の「たいころじい」創刊当時の日本は、戦後の高度経済成長期に続く地域活性化ブームの延長線上にあり、全国各地で「わが町」「わが村」を活気づける代表的芸能として次々に太鼓チームが結成されていた。太鼓コンサートや太鼓関連イベントが飛躍的に増加し、新しい楽曲の創作や洋楽器とのセッションなども盛んに行われるようになった。そうした太鼓の社会的変化を一時の現象として見過ごすことなく、「太鼓の文化」として文字にして記録することで、イキの長い文化となって後世に継承されることを浅野氏は願った。そして生まれたのが、太鼓に関するあらゆる情報を記事にした「たいころじい」だ。

 2000年から2代目編集長を務める小野美枝子は、元はフリーランスのライターとして全国の雑誌や新聞、メディアの執筆・編集に携わっていた。1992年に浅野太鼓に取材に訪れたことで浅野氏と出会い、太鼓に対する浅野氏の熱い思いを共有することになった。93年から現在まで継続されている太鼓コンサート「白山国際太鼓エクスタジア」の第1回からスタッフに参加し、99年に浅野氏の依頼により財団法人浅野太鼓文化研究所を設立。翌年から自身も財団の一員となって「たいころじい」を手がけることになった。

この本を読めば太鼓がわかる

 前述のように、太鼓は2000年初頭をピークに大きく太鼓人口を増やした。だが、ジャズやポップス、クラシックなど他の音楽ジャンルにくらべればまだまだ規模は小さく、成熟度の点でも歌舞伎や能楽などの日本独自の芸能には遠く及ばない。そのため「たいころじい」という書籍が大きく知名度を高めることはなかったが、太鼓に関心を持つ人々からは太鼓関連の知識を網羅した誌面構成が絶大な支持を得た。一方、あまり太鼓に関心を持たない人々からは、個性豊かでコアな書籍として注目されてきた。現在は休刊中だが、いずれ新しい息吹によってよみがえることを楽しみにしている。

 ともかく「たいころじい」を読めば、これまでの日本の太鼓文化の変遷がよくわかる。ぜひ一度手に取っていただきたい。

編集長  小野 美枝子

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