2025年11月14日
日本列島、秋の芸術真っ盛り
異例の暑さ続きに「もう夏はうんざり!」と愚痴っていた日々からわずか数週間で、急いで暖房機を持ち出す日々がくるとは。まったく自然のやんちゃぶりに振り回されている今日このごろ。そんな中で去る10月19日、金沢の「金沢歌劇座」で「錦秋歌舞伎特別公演2025」が催されました。

歌舞伎公演ということで出演は中村勘九郎さんと、弟の中村七之助さんがをメインでしたが、第一幕「フリートーク」の最初の場面から、お二人と共に和太鼓奏者の上田秀一郎さんが共演。続く第二幕「光の道標」は上田さんのソロ舞台、そして最後の第四幕のコラボレーション「芯」2025で、ふたたび上田さんの太鼓と歌舞伎のコラボレーションという、歌舞伎公演ながら太鼓の出番満載の舞台で、驚くやら嬉しいやら。300余年の歴史ある伝統芸の歌舞伎と、わずか50年ほどの歴史の太鼓が肩を並べて同じ舞台に立たせていただいたことの感慨に思わず胸が熱くなったひと時でした。もちろんここに至るまでには上田さんの努力もさることながら、上田さんの師匠である林英哲さんの薫陶があったことは紛れもない事実ですが、18歳の時から何かと親しくしてきた上田さんの堂々とした演奏ぶりを拝見するにつけ、まるで我がことのように嬉しい公演でした。
その感激の余韻がまだ収まりきらない11月2日、山梨県高校芸術文化祭郷土芸能部門の審査員を依頼され、山梨県の韮崎市へ。全6校の出場校それぞれに修練を重ねた様子が垣間見られ、ことに優勝校は堂々とした演奏ぶり。一方、印象的だったのが、とある支援学校の太鼓部で、どの子もひたすら楽しげに太鼓に向かう様子がとてもほほえましく、ただ純真に楽器に向かう姿に太鼓の原点を見たように思いました。
昨今は全国同じような雰囲気の太鼓チームが多いように感じます。ですが、「狭い日本」ながら、それぞれに特色ある地域性があるはずなので、演奏形態にもそうした特色を取り入れ、個性ある演奏を、見せて、聞かせていただけることを願います。
トラックバック(0)
トラックバックURL: https://www.taiko.or.jp/cgi-bin/asnt_m/mt-tb.cgi/11105





コメントする