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2026年4月27日

「祭音15周年 三宅太鼓&鼓童」の舞台

4月25日、草月ホールにて「祭音15周年 三宅太鼓&鼓童」の舞台を観た。

鼓童との共演でありながら、その舞台は実にシンプルだった。
余計なものを削ぎ落とし、ただ肉体と音、そのすべてをぶつける「打ち込み」。
その潔さが、かえって際立っていた。

近年、太鼓が音楽へと寄り添いすぎている演奏も少なくない。
それはそれで一つの表現ではあるが、この日の舞台は違った。
極め続けてきた者だけが持つ、音の芯、音の魂。
それがまっすぐに伝わってくる。

「これは太鼓だ」
そう自然に思わせる響きだった。

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舞台の中央に流れていたのは、津村親子の生きざまだった。
言葉ではなく、型でもなく、ただ打ち続ける姿そのものが語っている。
親から子へ、子からまた次へと受け継がれていくもの。
それは技術だけではない。
太鼓に向き合う覚悟や、日々を積み重ねる生き方そのものが、音となって響いていた。

一打一打に迷いがない。
飾りもない。
だからこそ、その音は深く、まっすぐに届く。
長い年月をかけて培われたものだけが持つ、揺るぎない強さを感じた。

見留さんの35年という歩みもまた、その舞台に静かな重みを添えていたが、それすらも包み込むように、津村親子の時間が舞台全体を貫いていたように思う。

思えば、18年前、、、、、、、
三宅太鼓の音で舞台を創りたい、と和宏さんから相談を受けたことがあった。
あの時に描いていたものが、時を経てここまで昇華されるとは――。
舞台を見つめながら、胸の奥で静かに感慨が広がった。

積み重ねてきた時間は、決して裏切らない。
そのことを、あらためて教えられた一夜だった。

<祝 津村明男さん 奥さん 和宏さん 秀紀さん 春快さん 家族の皆様>

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2026年4月 9日

「響きは海を越えて」

 

 先日、ひとつの知らせを受けました。エスターさんが亡くなられたと聞きました。

 アメリカから日本に来て、太鼓に出会い、その後、日米をつなぐように歩んでこられた方です。

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 まだ太鼓が、今のように世界に広がる前のこと。遠くから来て、この音に向き合おうとされたこと、簡単ではなかったはずです。松山で水軍太鼓に触れ、その響きを、自分の中に取り込んでいかれた。その姿に、静かな強さを感じたことを覚えています。 

 娘も、留学の折から長くお世話になりました。弟さんのお宅に身を寄せ、そこから学校へ通わせていただきました。異国の地での暮らしの中、ただ学ぶというだけでなく、人とのつながりの中で支えられていたのだと思います。その背景に、エスターさんの存在があったこと、いま改めて思い起こされます。

 太鼓というのは、不思議なものです。言葉を越えて、人と人とをつないでいく。一つの音が海を越え、こうして人の縁を生んでいく。エスターさんは、そのことを、ご自身の歩みで示してこられた方でした。残された響きは、いまもそれぞれの場所に息づいているように感じます。

 長い年月にわたり、本当にありがとうございました。

 静かに、手を合わせています。

 どうぞ安らかに。

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2026年4月 8日

「響きが風になる日」

 

 久しぶりに、こうして書いています。

 先月、「2026 いま風が響きになる」と題した教室の発表会を行いました。一年という時間の中で、それぞれが太鼓と向き合い、その積み重ねが、そのまま舞台にあらわれたように思います。講師の先生方の変わらぬご指導の中で、無理なく、けれど確かに、歩みが進んできたことを感じました。

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 太鼓というのは、不思議なもので、自分が楽しいと感じること、それを見て先生が楽しむこと、そしてその場にいる方が、自然と引き込まれていくこと。

 どこかでつながっていくものがあるように思います。

 当日は、ご家族やご友人の方々が多く足を運んでくださり、会場には、どこかやわらかな空気が流れていました。

 また、スタッフの皆さん、テクニカルの皆さんの支えがあってこそ、この時間が成り立っていることを、あらためて感じております。いつもながら、頭の下がる思いです。

教室を始めて三十数年になります。多くの方が太鼓に触れ、その中で自然と仲間が生まれてきました。2歳の子どもから70代まで。同じ音に向き合うということが、人と人とをつないでいくのだと、あらためて思います。三時間という時間は、過ぎてみればあっという間ですが、その中には、それぞれの時間が、しっかりと刻まれていました。

 そして、また次へと向かいます。

 7月12日は、恒例の白山国際エクスタジア。前売り券は、5月1日午前10時からの発売となります。

 桜の花が咲いているのを見ていたとき、ふと、心に浮かんだことがありました。淡く、どこか切なく、それでいて、あとに残るもの。そういうものを、舞台として残せないか。

 太鼓芸として、きちんと向き合い、形にしていきたいと思っています。

 大きなことではなく、ただ、響きの中にあるものが、静かに伝われば、それでいい。

 春の光が、そのことを教えてくれたように思います。

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